Songs
短歌。これで飯を食う覚悟はないのでここに載せています。
1-10
すべり台 水の気持ちになれるまで のぼっておりてのぼっておりて
久しぶりに人生に安心しちゃって もう立てない
がまんしたおならの行方も知らないで ゆうめしなにかなという愚かさよ
顔知らぬ豚の横腹食いちぎる これが平和という二一世紀
嬉しかったことばは石碑に刻んでる もう忘れないこんど見せるね
抱き合うとつむじに吹いてるつむじ風 花にもぐる蜂の気持ちだ
山なりのボールにこめたやさしさは やさしさゆえに届かず落ちる
ベランダにトイレがあってもいいじゃない? 便秘の日には大家も応援
ガタゴトン吊り輪と呼ばずに吊り革と 呼び始めた人座布団一枚
山なみにやらしておくれと山なりに 垂らす鼻水震える南瓜
11-20
教科書のひらがなひろげて横になる ひのみやぐらもそっと倒して
放課後の特急列車は思い出す 砂場に忘れた火災報知器
人間は足の裏から干からびて そしてさらさら浅瀬で光るよ
淫乱なナースを包む白い布 散らばる和音とこいのぼりたち
順番にトンネルくぐるボタンたち ランドセルには朝顔のたねを
まんぷくの太陽まみれの昼間ヒトデはひとりでに夢片付ける
壷のなか夢を泡立てかけぶとん そっと覗けば水玉の空
西の空 東の空はきみの色 星をよけて真似るだけのぼく
長靴の底に秘密を隠したら 日傘をさして散髪へいく
赤とんぼお別れ間際のポール際 流されてゆく ほどかれてゆく
21-30
都会っ子山の絵本に閉じ込めて 息を止めて木に刃を入れる
参ったな誰も好きじゃ 好きじゃない 砂漠に撒く水もう行かなくちゃ
ありがとう…ほんとにほんとにありがとう… たいようたいようあったかすぎる……
夕焼けにびっこを引いた鰯雲 たぁぁたぁぁと 追い越してゆく
杖をつく我より先に死ぬ我が子
(短歌 26)
(短歌 27)
(短歌 28)
(短歌 29)
(短歌 30)